柔術の技が複雑すぎて覚えられない
こんな悩みを抱えている方も多いと思います。
かくいう私も柔術を始めたばかりの頃、技なんて全く覚えられませんでしたし、なんなら今でも覚えには自信がありません!(キッパリ!)
(最近の技なんて手順が複雑すぎて、覚える気にもなれないのもありますが…)
そんな小言はさておき、私は青帯に上がってからは技の引き出しも増えてきました。
白帯の頃は、体力と力に任せて、運動量で相手を制圧していのに比べ、青帯となったいまは技で相手をコントロールできるようになってきたように思います。
(黒帯クラスの方に比べれば、まだまだですが…)
スタミナや筋力なら20代のフレッシュな若者の方がありますし、筆者を始めたとしたアラサーの方々も、そこで勝負するの土俵が悪すぎます。
これからは、大人らしく、技の精度で勝負をしていきたいところです!
40、50でも化け物みたいに強い方達がごまんといますしね。
私達もそこを目指して、柔術ライフに取り組んでいきたいと思っています。
それには、なんとしても技を覚えなくてはなりません。
以前は全く技を覚えなかった筆者も、本項で紹介する技を試すようになってから、技が覚えられるようになってきました。
本項では、柔術の技を覚える方法を3つ紹介していきます。
怪しい商材を売りつけたりはしないので、最期まで読んで頂けると幸いです。
覚技が覚えられない理由

柔術の技が覚えられない理由は、大きく分けて3つあると思います。
- 受け身の姿勢だから
- 頭で覚えようとするから
- 人間はそもそも忘れる生き物だから
順番に解説していきます。
受け身の姿勢だから
「技を教えてもらう」という受け身の姿勢では、なかなか技は覚えられません。
どんなに優れた指導員がいても、教えてもらう側が受け身では、いつまでたっても技は覚えられないと思います。
実際に、「人から聞いた話は67%しか話の中身を理解していない」というデータもあるぐらいです。
「教えてもらう」という受け身の姿勢ではなく、「どんな技を覚えるようか?」とする攻めの姿勢が大切です。
「どんな技覚えたらいいか、分からない」という方は、下記の記事を参考にするといいでしょう。
頭で覚えるようとしているから
「最初にこの形を作って、次にこうして…」など、手順を1から10まで全て完璧に覚えようとするのもよくありません。
とくに柔術の技は工程数が多く、複雑なものたくさんあります。
頭で手順を1から10まで覚えようとしても、そもそも無理と言えるものでしょう。
それに試合やスパーリングなど、対人したときには、頭で覚えた技は出てきません。
体に染み込んだ技のみが、実践で繰り出せる技なのです。
自分の出したい技が、瞬時に出てくるぐらい、体に染み込ませおく必要があります。
色んな練習方法がありますが、私個人的には、スパーリングで技を試すのをおすすめします。
人間は忘れる生き物だから
人間は忘れる生き物なので、技がなかなか覚えられなくて当然です。
「エビングハウスの忘却曲線」をご存知でしょうか?
ドイツの心理学者「ヘルマン・エビングハウス」が発見した人間の記憶力の定着率を表わした図です。
人間は
学習後20分後には42%忘れ、
1時間後には56%忘れ、
1日後には74%忘れ、
1週間後には77%忘れてしまいます。
つまりジムでせっかく人に技を教わっても、20分後には半分以上を忘れてしまっているということです。
忘れないようにするには、何度も繰り返して反復し、記憶を定着させるのが一番の近道と言えるでしょう。
柔術の技を覚える方法

では、どのようにすれば、技を覚えられるのでしょうか?
具体的な方法は以下の3つが挙げられます。
- テーマを持って練習する
- 技の原理を理解
- 人に教える
それぞれ詳しく解説していきます。
テーマを持って練習する
「今日はクローズドガードを使う」
「トップポジションからしかやらない」
このように練習で使う技を限定し、テーマを持って練習するのがおすすめです。
私、個人的には、紹介する3つのうち、一番技が覚えられる方法だと思っています。
実践で使った技は、本当によく覚えられます。
仮にスパーリングで技をかけて成功しなかったとしても、
なぜ技が極まらなかったのか?
どうすれば技が極まるのか?
自分なりに考えることで、技への理解がどんどん深まっていきます。
ロジカルに物事を考える、それが柔術の面白さです。
習った技は、成功しようが失敗しようが、積極的にスパーリングで試してみることをおすすめします。
技の原理を理解する
どうしてこの技がかかるのか?少し難しいですが、技のかかる理屈をしっかり理解おくのもいいでしょう。
例えば、シザースイープを例に挙げてみましょう。
シザースイープをクローズドガードから仕掛ける場合
- エビを切って、半身を取る
- 相手のわきの下を蹴る
- 相手の脚を刈る
おおまかに分けると、こんな手順だと思います。
ここで大事なのは
「なぜこの手順を踏むとスイープがかかるのか?」
と考えることです。
例えば②と③の工程を入れ替えてみたとします。
①エビを切る→②相手の脚を刈る→③相手のわきの下を蹴る
という手順を踏んでも、シザースイープは決まりません。
大事なのは、②相手の脇の下を蹴ることで、相手の体重を自分がこれら刈る足にしっかり乗せてあげることです。
つまりシザースイープを決める秘訣は、相手の体重を移動させることが必須ということになります。
このように技が極まる仕組みを理解すると、技を覚えるのも、うんと楽です。
さらにスパーリング中に「こうしたら、技が極まるかも」という発想が産まれたりし、新しい技を覚えるきっかけにもなります。
少し難しいでしょうが、最初は間違っていても構いません。
自分なりの仮定を考えることが重要です。
その繰り返しが、自分の糧になります。
人に教える
「ラーニングピラミッド」という言葉を聞いたことはありませんか?
「ラーニングピラミッド」とは、人間が学習した内容をどれほど覚えていられるかを表わしたものです。
例えば、実演を見て教わったことは、30%しか内容を覚えていないと言われています。
つまりジムで指導員に技を習っても、30%ぐらいしか覚えていないということです。
しかし人に教えることで、覚える割合は90%まで上昇すると言われています。
この原理を応用して、自分が覚えたい技を人に教えてみてもいいと思います。
ただ、初心者の方が人に教える機会はあまりないと思うので、そんな方には成功体験を共有してみるのがいいでしょう。
こうしてみたらうまく技が極まりましたよ
と、初心者同士で成功体験を共有してみるのもいいと思います。
また直接人に言いにくい方は、SNSを活用してみるのもいいでしょう。
まとめ

柔術の技を覚える方法を3つ紹介してきました。
どの方法にも言えることですが、コツコツ継続しなければ意味がありません。
一朝一夕で強くなれる人はいません。
コツコツ練習していくことで、技の引き出しが増えていくものだと思います。
そして楽しむこと、これが何よりのコツかもしれませんね!
本項があなたの柔術ライフのお役に少しでも立てば幸いです。