柔術って怪我がしにくいスポーツってきくけど、本当かな?
柔術は「体を使ったチェス」と呼ばれるほど、ロジカルな競技なので、怪我のしにくいイメージがあります。
しかしチェスと言えど、格闘技です。
怪我をしないのか?安全性に疑問を持つ方もいるでしょう。
いくら安全と言われていても「怪我をする危険性はあるのではないか?」と感じる方もいるでしょう。
そこで本項では、元プロMMA選手として様々な格闘技に取り組んできた経験をもとに、柔術は怪我をしにくい競技なのか解説していきます。
- これから柔術は始めたいけど、怪我が心配な方
- すでに柔術をしていて、怪我のリスクを減らしたい方
柔術は怪我が少ない競技なのか?

結論からいうと、柔術は怪我の少ない競技だと思います。
寝技の攻防は非常にロジカルで、無茶な動きさえしなければ、大きな怪我に繋がることも滅多にないと思います。
元プロMMA選手の筆者も、柔術で大きな怪我をした経験はほとんどありません。
MMAやレスリングの練習ではしょっちゅう怪我をしていましたが…。
しかし、あとは過度な減量さえしなければ、ずいぶん怪我のリスクは下げられます。
またキックボクシングのような打撃もないので、脳へのダメージも少ないのも安心です。
数ある格闘技の中でも、柔術は比較的、怪我の少ない競技だと言えるでしょう。
しかし柔術でも、怪我を全くしないわけではありません。
どんな怪我が多いのか、次項で解説していきます。
柔術で多い怪我とは

柔術で多い怪我とは、どんな怪我なのでしょうか?
柔術仲間が実際に負った怪我や、筆者が柔術により負傷した怪我を紹介します。
それぞれ詳しく解説していきます。
顔…擦り傷
顔の擦り傷というのは、相手の道着や畳やマットに擦れて、おでこや頬赤い擦り傷ができてしまうことです。
寝技がメインの競技なので、顔が擦れてしまうことは仕方ありませんね。
ちなみに縫うほど大きな怪我をしたことはありませんし、そんな怪我をした方も聞いたことはありません。
レスリングでは額や眉間が切れて、縫ったという話はよく聞きましたし、キックボクシングなどの打撃系では、顔にアザができるのはしょっちゅうでした。
首…捻挫
首も柔術で怪我しやすい部位です。
首は相手とのポジションを奪い合うスクランブルや、ブリッジをしてエスケープをしようとときに、首を負傷するケースがほとんどでした。
酷い方だと首の骨が変形し、手が痺れてしまった方もいます…。
首の怪我が一番、怖い…。
指…捻挫、脱臼
道着を掴んで攻防を行う競技のため、指を怪我しやすいと言えるでしょう。
筆者も指を捻挫をしたことは、何回もあります。
ただ指の捻挫なら、湿布を貼って、固定しておけば数日で良くなります。
(怪我をしている間は、指が少し曲がりづらい不便さはありますが…)
腰…ぎっくり腰
急性腰痛症、ぞくに言う「ぎっくり腰」。
柔術は普段、取らないような体制で動くため、腰に掛かる負担もかなりのものです。
「ぎっくり腰」をしたあとは、起きていても、寝ていても激痛で寝返りも打てないほどでした…。
当然、仕事に支障をきたしました…。痛み自体は1週間もすれば回復しましたが、当時の職場にはご迷惑をおかけしました。
しかし腰痛は、どんな職業や競技でも発生するリスクがあります。
一概に「柔術=腰を痛めやすい競技」とは言えないでしょう。
膝…半月板損傷
膝を怪我をしている柔術家はよく見かけました。
とくに「半月板を怪我して上手く膝が曲げ伸ばしできない」という方もいました。
ただそう言った方は、昔から柔道やレスリングなどの組技をやっていて、膝を慢性的に悪いという方が大半です。
とはいえ、いままで膝を怪我したことがない方も、柔術をやっていて膝を怪我する危険性はあります。
とくに膝は怪我をすると、歩きにくくなるなど、日常生活に支障をきたします。
膝の怪我は注意した方がいいでしょう。
膝の怪我については、サポーターを着用するなど、膝を保護すればある程度は予防できます。
足首…捻挫
スタンドの攻防や、パスを狙ったときに足を捻ってしまうパターンが多いようです。
しかし柔道やレスリングのような、スタンドがメインの競技の方が、足首の負傷は多くありました。
柔術は寝技メインの競技なので、足首への負担は少ないように感じます。
怪我をしないためには

怪我をしない楽しい柔術ライフを送るためには、どうしたらいいのでしょうか?
怪我予防する4つの方法を紹介していきます。
無理な練習はしない
大半の方は、趣味で柔術をしている方がほとんどだと思います。
中にはゴリゴリの選手志向の方もいるでしょうが、そういった方は今回は割愛します。
趣味で柔術を行っている以上、自分のキャパシティー以上の無理な練習は禁物です。
- 疲れたら休憩をはさむ
- こまめな水分補給をする
など練習中のコンディションには、気を使うようにしましょう。
また、力任せに技をかけてくる人や体重差を無視して攻めてくるなどの危ない方達とのスパーリングも避けるべきでしょう。
こうした方達とスパーリングをしても、怪我をする危険性が高まるだけで、時間と労力の無駄でしかありません。
できるだけ自分と同じぐらいの体格の方や、うまく技を受けてくれる黒帯や茶帯の上級者とスパークリングをするといいでしょう。
力任せなスパーリングをしない
初心者に多く見られがちなことですが、力任せにスパーリングをしてけがをするケースです。
筆者も格闘技を始めたばかりの頃は、力の抜きどころが分からず、不要な怪我をした経験が多々あります…
そうした怪我を予防するためには、無駄な力を入れず、6、7割ぐらいの力で動くように意識するといいでしょう。
最初のうちは、難しいかもしれませんが、徐々に力の抜きどころが分かってきます。
力も抜けるようになってくれば、怪我をしないだけでなく、スタミナも長く続くようになってきます。
スパーリングが上達への近道です。怖がらず、無理をせず、スパーリングに参加しましょう!
ブラジリアン柔術のスパーリングに初心者も参加すべき3つの理由
アップやクールダウンを行う
練習の前にはしっかりと体をアップさせる、練習後はストレッチをして体をほぐす、これだけでも怪我は予防できます。
とくにアップは、怪我予防に欠かせません。
筆者の経験上、首の怪我をしたときは、体が十分に温まっていないときに怪我をしていたように思います。
遅れて練習に参加するときは、マット運動などでしっかり体をほぐしてから参加するようにしましょう。
また、練習後のクールダウンも怪我予防におすすめです。
練習後は、体に披露が蓄積しています。
知らず識らずのうちに溜まった疲労が、怪我を誘発する原因にもにもなります。
練習後はストレッチをしてなど、溜まった疲れを抜くようにしましょう。
サポーターをつける
膝の怪我予防ならば、サポーターを着用することで大幅に防げます。
筆者もスパーリングのときは、膝サポーターを着用するようにしています。

少し動きにくいのは難点ですが、怪我をするのに比べたら、安いものです。
ただ試合では着用が認められていないので、サポーターありきの動きに慣れてしまわないように注意が必要です。
まとめ

柔術は怪我をしない競技なのか、解説してきました。
怪我の多い箇所は、以下の通りです。
怪我の比較的少ない競技ですが、それでも格闘技である以上、ある程度の怪我は避けられません。
ただ怪我をするのは、どんな競技でも同じです。
サッカーや野球でも、怪我は捻挫や脱臼します。
もっと極端な話をすれば、通勤中に怪我をする危険性だってあります。
怪我を全くしないというのは、不可能というものです。
それよりも怪我をできるだけしないように、予防をすることが大切だと思います。
何を始めるにしても自分次第です。
やらない言い訳より、できる方法を考えみましょう!
柔術に興味を持って、始めてみたい!と思った方は下記の記事をご覧ください。