柔道とよく似た名前にブラジリアン柔術(以下の柔術)というものがあります。
2つとも似たような名前のだけど、何が違うの?
全然、違う競技ですよ!
大まかな違いは以下の通りです。
本稿では、元プロ格闘技選手の筆者が「柔道」と「柔術」の違いについて詳しく解説していきます。
柔道と柔術の違い
柔道と柔術の大きな違いは、以下の4つが挙げられます。
特に寝技に関するルールが全く違うので、よく覚えておいた方がいいでしょう。
日本の柔道VSブラジル生まれのブラジリアン柔術
【柔道】は日本で生まれたものです。
柔道が誕生したのは、明治時代に「嘉納治五郎」が創設したと言われています。
今では世界中で親しまれています。
対する【柔術】は、ブラジルで生まれました。
柔術が誕生したのは、大正時代。
日本人柔道家の前田光世がブラジルで、柔術の創始者「カルロス・グレイシー」に技術指導をしたことがきっかけでした。
前田氏に柔道を教わったカルロスは、独自に技術を改良し【柔術】を生み出しました。
柔道は日本、柔術はブラジルで生まれたんだね!
太めの柔道着VS細身でお洒落な柔術着
柔道も柔術も道着を着て行いますが、大きな違いがあります。
柔道は立ち技は立ち技で組み合うことが前提のため、組みやすいように道着の袖が太くなっています。
柔術着は寝技が中心の競技のため、相手につかまれにくいように袖が細くタイトな作りになっているのが特徴です。
またカラーやデザインが豊富なのも特徴で、ファッション誌で紹介されるお洒落な道着もあります。
ちなみに柔道着を着て柔術はOK。柔術着を着て柔道はNGです。
投げて倒す柔道vs絞め技と関節技の柔術
主なルールの違いは、以下の通りになります。
柔道 | 柔術 | |
試合時間 | 4分 | 10分 |
制限時間内の勝敗 | 相手をきれいに投げたら勝ち 関節技、締め技を極めたら勝ち | 関節技、締め技を極めた場合のみ勝ち |
時間内に勝負がつかなかった場合 | 技ありの数が多い方が勝ち | ポイントの多い方が勝ち |
延長戦 | あり | なし |
立ち技の違い | 脚を触るタックルはNG 自分から下になるのはNG | 脚を触るタックルはOK 自分から下になってもOK |
寝技の違い | 一定時間、抑え込めば勝ち 制限時間がある | 制限時間はなし 関節技、締め技が極まるまで続く |
ほかにも細かい違いはありますが、大きな違いはこんな感じです。
柔道と柔術の特に大きな違いは、勝敗の決着方法です。
柔道の勝敗は、立ち技で相手を投げたり、寝技で抑え込んだり、関節技や締め技を極めたりすることで決まります。
柔術の場合は、勝敗は、関節技、締め技が極まるまで試合が続きます。
柔道のように相手を投げても、試合は決着しません。
ポイントが2点入るのみで、試合は続行します。
これだけルールが違うと、競技特性も変わりそうですね
そうなんです!私は両方の競技をやったことがあるので、実体験から両者の違いを解説していきます。
パワーの柔道VS頭脳の柔術

筆者の個人的感覚ですが、
- 柔道は、燃え盛る炎のような【瞬発力】
- 柔術は、冷たい水のような【冷静さ】
というイメージです。
柔道は立ち技が中心で、相手と組んで投げることが中心。そのため、燃え盛る炎のように瞬間的なパワーが必要です。
たしかに柔道って、激しいイメージがあります!
柔術は寝技が中心で、ロジカルな対応が求められます。
相手が仕掛けてきた技に対して、冷たい水のように冷静で合理的な判断をすることが大切です。
また柔道に比べて柔術は膠着する時間も長く、考える時間も多いのも特徴。そのため怪我も少なく、社会人の習い事として人気があります。
タレントの木村拓哉さんや岡田准一さんなど、芸能界にも多くの柔術ファンがいます。
運動未経験の方でも始めやすい競技のため、気になる方は柔術ジムを探してみてもいいでしょう。
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【柔道】と【柔術】違い:まとめ

柔道と柔術の違いについて4つ解説してきました。
違いはあれど、どちらも世界中で愛されている素晴らしい競技です。
ただ、柔道はパワーや瞬発力を要するため、大人になってから初める習い事してはハードルが高いでしょう。
柔術は、運動未経験者でも初めやすく、コツコツ練習していれば強くなれます。
これから格闘技を初めたい方には、柔術はおすすめです。
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